香月麻記子さん(高46期)


Profile香月麻記子(かつきまきこ)さん

1994年 八幡高校卒業(高46期)
1998年 西南学院大学文学部国際文化学科卒業
中国・北京に語学留学
1999年 帰国
2000年 北九州市に就職
以降、保護課、国際政策課、行政経営課、空港港湾課などを経験
2003年 北九州市東京事務所 副所長に就任

八高卒業後は西南学院大学文学部国際文化学科に進学。同大学卒業後、1年間中国・北京に語学留学。帰国後、北九州市に就職。八幡西区役所保護課、経済文化局国際交流課、総務局行政経営課、上下水道局総務課などを経て、2023年4月より北九州市東京事務所 副所長に就任。関係人口の拡大、移住、ふるさと納税の促進を目的に、北九州市のプロモーションを行っている。引野中学校出身。

2023年12月某日、東京交通会館内にて、北九州市東京事務所副所長を務める香月麻記子さんを取材しました。北九州の魅力を広げるためにさまざまな政策を行う香月さんに、北九州の今と未来、関東誠鏡会への意気込みについてお話を伺いました。


まずは香月さんについて教えてください。

高校、大学、そして就職までどのように歩んでこられたのですか?

高校の3年間は、穏やかな日々でした。部活は書道部で、特別印象的なこともなかったけれど、友人に恵まれて楽しくいつも笑っていた記憶があります。卒業後は西南学院大学文学部国際文化学科に進学しました。大学も高校の延長上のような感じで、特に何かに熱中することはありませんでしたが、穏やかで落ち着いた学生生活を送っていました。ところが、大学3年生になって、香港映画にハマってしまい、「香港で暮らしたい!」と香港留学を決意します。しかし、ちょうど香港が中国に返還されたタイミングだったこともあり、中国語の教授から「広東語(香港の公用語)より北京語を学んだ方が後々のためになる。中国本土に行った方がいい。北京語をマスターしてから広東語を学べばいい」と説得され、最終的に北京に留学しました。行ってみると、北京は伸び盛りの時期で、街がみるみる変わっていくのを目の当たりにするのは面白かったですね。あちこち出かけて楽しい留学(遊学?)生活を送ることができました。1年2ヵ月で帰国しましたが、就職氷河期が続く時代でなかなか就職先が決まらず、どうしようかと思っていたところ、母の知人から「公務員なら既卒でも平等に受けられるから受けてみたら」とすすめられました。ちょうど北九州市で、語学やITなど様々な分野の人材を採用する試験区分の募集があり、中国語も活かせそうだと受験し、北九州市に採用されました。



北九州市ではどんなお仕事をされたのですか

最初は生活保護などを担当する八幡西区役所保護課に配属され、3年後に国際交流課に異動し、北九州市と友好都市である中国・大連市との交流事業に携わりました。その後もあちこち異動があり、23年間で10の部署を経験しました。仕事内容は実に多岐にわたり、北九州市立大学で若者の地元就職促進をすることもあれば、上下水道局で安全・安心な水道と下水道を守る業務に携わることもありました。これらの経験を積んだ後、2023年より北九州市東京事務所副所長に就任しました。


北九州市東京事務所では企業誘致、定住・移住相談、U・Iターン応援、観光振興、ふるさと納税促進など、多方面で北九州のプロモーションを行っています。北九州市の人口も今では91万人となり、若者離れが深刻な問題です。人口流出に歯止めをかけるべく、若者の地元定着、移住者の受け入れなどの取り組みを盛んに行っています。具体的には北九州PRのイベントを行ったり、移住を考える方の相談にも乗ったしりしています。InstagramやXなどのSNSを活用した情報発信も積極的に行い、ファン作りにも力を入れています。

香月さんから見た北九州市の魅力とは

北九州のどんな点を推しにされているのですか?


意外かもしれませんが、北九州市の「暮らしやすさ」は全国的にもかなりハイレベルなんですよ。その理由はたくさんありますが、特に象徴されるものをいくつかご紹介します。

北九州市が暮らしやすいワケ1)物価が安い!
政令指定都市の第1位です。

北九州市が暮らしやすいワケ2)医療充実&治安の良さ
人口当たりの病院病床率が政令指定都市第2位です。
北九州市の刑法犯認知件数は、平成14年をピークに86.5%減少しました。

北九州市が暮らしやすいワケ3)子育てしやすい!
「次世代育成環境ランキング」(NPOエガリテ大手前)では子育てしやすい街として政令指定都市では12年連続第1位。第2回「日本子育て支援大賞2021」(一般社団法人日本子育て支援協会)も受賞しました。

北九州市が暮らしやすいワケ4)人がいい!オープンマインド!
移住された方からは、「移住者をよそ者扱いすることなく、自然に街に馴染めました」という声がよく聞かれます。ずっと八幡に住んでいるとわかりませんが、かつて八幡製鉄所が多くの移住者を受け入れた歴史に通ずるのかもしれません。

北九州市が暮らしやすいワケ5)食べ物がおいしい!


左上から時計回りに「焼きカレー」「豊前海一粒かき」「寿司」

北九州の食べ物のおいしさは、同窓生の皆さんもご存知ですよね?まずは最近人気のグルメをご紹介します。焼きカレーは最近よくTVで紹介され、人気となっていますよね。お寿司もわざわざ遠くから食べにこられる方もたくさんいるようで、密かなブームです。糸島の牡蠣も有名ですが、北九州の牡蠣も負けていません。ふるさと納税の返礼品も、小倉牛や関門ポーク、ふぐ、いくらなど、バラエティ豊かにご用意しています。今も昔も、グルメの宝庫です。


北九州市が暮らしやすいワケ6)日本国中から注目される観光スポット多数

左上から時計回りに「和布刈公園第二展望台」「皿倉山」「門司港」「小倉城」「若戸大橋」「門司港駅」


ご存じかもしれませんが、北九州市は日本新三大夜景都市に認定されました。要因となったのはブームとなった工場夜景、皿倉山や門司港レトロ展望室など地形を活かしたバリエーション豊かな夜景があること、また積極的なプロモーションも評価されたようです。今では日本国内のみならず海外からも観光客がいらっしゃるほどです。

北九州市の「これから」について教えてください。

北九州はまだまだ大きなポテンシャルを持っています。未来に向けても大きく伸びていくことが期待されています。今予定されているいくつかのプロジェクトについて、ご紹介します。


変わる北九州1)
滑走路延長で、物流の一大拠点に
北九州空港


滑走路が現在の2,500mから3,000mに延長されることになりました。滑走路延長で長距離運航の制約が解決し、欧米向けの貨物運航が可能になります。北九州空港の滑走路3,000m化は、九州・西中国の物流拠点空港を目指す北九州市にとって、不可欠なプロジェクトであり、大きな期待が寄せられています。
さらに、24時間運用の空港として強みを活かす動きも。例えば、午後10時までの福岡空港の制限時間に間に合わなかった航空便を北九州空港で受入れるため、関係機関と検討を進めてきました。深夜帯に到着した乗客の移動手段等の確保を目的に、福岡県と共同で、地域の交通事業者や宿泊事業者等に、協力を呼びかけ、受入体制が整いつつある状況です。

変わる北九州2)
SDGs未来都市の実現に向けて
コクラ・クロサキリビテーション


コクラ・クロサキリビテーションが目指すのはSDGs未来都市の実現につながるまちづくりです。例えば、安全安心で魅力的な街づくり、若い世代から支持されるIT企業の誘致、グリーンスマートビル(省エネや快適性、企業価値の向上に寄与するビル)の普及などが代表的な取り組みです。補助事業の新設・拡充や各種規制(容積率、駐車場設置要件等)を緩和し、民間開発の誘導と企業誘致の促進を積極的に行うことで、自由度の高い開発が可能です。第一弾となるIT企業専門ビル「BIZIA小倉」が2024年4月オープン予定です。

その他、風力発電などのエネルギー関連産業の集積を目指す「グリーンエネルギーポートひびき」事業など、多くの計画が進行中です。
北九州をプロモーションするようになって、改めて私自身もその魅力を再認識しています。同窓生のみなさんもぜひ改めてふるさとに足を運んでいただき、魅力を満喫していただきたいと思います。 また、東京事務所の公式LINE「KitaQサポーター」やInstagramで北九州市に関する情報を随時発信しています。ぜひ、ご登録お願いいたします!

ワクワクするお話をありがとうございました。
最後に当番期である来年の総会への意気込み、久しぶりの同期との再会についての感想などをお聞かせください。

来年の関東総会に向けて、メンバーが集まり、リアルとオンラインのハイブリットでキックオフミーティングを行いました。30年の時を経てそれぞれ立派になっていてもあっという間に高校生の時に戻ってしまう楽しい時を過ごしました。会場選びもが含め、課題はたくさんありますが、皆さんに喜んでいただけるような総会を目指して、これから協力していきます。どうぞ、来年の関東総会を楽しみにしていてください。



【編集後記】

  • 落ち着いた雰囲気の香月さんですが、北九州の話を伺うと饒舌に。北九州愛をひしひしと感じました。
  • コロナ以降、帰省していないしていない筆者もお話を伺い久しぶりに帰りたくなりました。

 

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